脳ドック
脳ドック
脳ドックとは、脳梗塞などの脳疾患の発症リスクを早期に発見するために、主にMRIやMRI血管撮影(MRA)、頸動脈エコー等による画像診断と脳機能に関連するさまざまな検査を行い、脳の健康状態を評価する検査です。脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中は、突然発症し、そのまま命に関わったり、一命をとりとめたとしても手足のまひや言語障害などの重い後遺症をもたらしたりして人生を大きく変えてしまうことがあります。
そのため、脳ドックにより無症状の脳梗塞、未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍、脳血管や頸動脈の狭窄などを未病段階で早期に発見し、将来の脳卒中やその他の脳疾患の発症を予防したり、脳の萎縮度を調べて認知症の早期発見を目指します。しかし、脳に異常がなくても基礎疾患となる生活習慣病などの危険因子を放置した状態では将来的に脳卒中を誘発する可能性があります。そのため、心電図、血液検査や血圧脈波検査(CAVI:動脈硬化検査)なども検査し、異常があれば早期治療をすることも重要です。
♯検査は自費診療、予約制となります。(ご予約は1週間以上前にお電話・ご来院にてお願いいたします。)
検査時間は全てを含めて約1時間〜3時間位になります。
自覚症状がなくても、脳疾患は40歳を過ぎた頃からリスクが高まり、自覚症状が全くないまま突然起こることもあります。ですから、自覚症状がなくても40歳を過ぎたら年に一度は脳ドックを受けて、ご自分の脳の状態をしっかり把握しておくと安心です。
認知症の発見や予防につなげるプランもあります。認知症は主にアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症が大部分を占めます。特にアルツハイマー型認知症は認知症の約6〜7割を占めます。
認知症検査では脳ドックとは多少異なり、記憶の重要な場所である海馬と呼ばれている部位の萎縮度の測定をMRI(VSRAD)で行ったり、記憶テストや記憶力や認知力の低下の程度を図る認知力テストなどの認知機能検査(MMSE)を行っていきます。その他、生活習慣病などの別の病気が原因で物忘れを引き起こしている可能性もあるため血液検査を行います。脳ドックにプラスされて行う形となります。
認知症検査によって、物忘れが加齢によるものなのか、治療や対処を必要とする認知症からきているものなのかなどを調べていきます。
頭部MRI検査 | 無症状の脳梗塞(隠れ脳梗塞)、脳微小出血、脳腫瘍、能動静脈奇形、脳萎縮の程度、慢性硬膜下血腫 など |
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頭部、頚部MRA検査 | 未破裂脳動脈瘤、脳血管や頸動脈の今日さくや閉塞、もやもや病、脳動脈奇形 など |
頸動脈エコー検査 | 頸動脈の狭窄や動脈硬化、頸動脈の内部の状態 など |
問診 | 問診では自覚症状、既往歴、家族歴、現在の治療歴や過去の手術歴、現在の生活習慣病や嗜好、アレルギー、内服薬の有無、MRI検査の禁忌となる状態などを確認させて頂きます。 |
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血圧、脈拍測定、身長、体重、腹囲測定、BMI | 高血圧、不整脈、肥満の有無などを検査します。 |
血液検査、尿検査 | 血液、尿を採取し化学的に分析し貧血や多血症、脂質異常や糖尿病の有無、肝機能検査、腎機能検査などをします |
心電図検査 | 不整脈や狭心症、心筋梗塞などの心疾患の有無を調べます。 |
頭部MRI検査 | 強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して、脳の状態を調べます。無症状の脳梗塞や脳腫瘍など脳の病気の早期発見が可能です。 |
頭部、頚部MRA検査 | MRAとは、磁気の力を利用して脳血管や頚部の動脈の状態を調べる検査です。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の有無を調べたり、脳血管や頸動脈の閉塞や狭窄、血管奇形などを調べます。 |
頸動脈エコー検査 | 身体の外から超音波をあてて頸動脈の中の状態を調べる検査です。頸動脈は動脈硬化が起きやすく、頸動脈エコー検査では首の動脈を超音波でみることにより、全身の動脈硬化の程度が測定できますので、心臓をはじめ全身の動脈硬化を調べるのに有効とされています。 また、頚部MRAにより詳細に頸動脈の内部の状態を把握することができます。 |
血圧脈波検査(CAVIとABI) | CAVIは動脈の硬さを調べる検査で、大動脈を含む心臓から足首までの動脈硬化度を調べます。これを調べることによって血管年齢がわかります。ABIは下肢動脈の狭窄や閉塞など動脈のつまりを調べます。加齢や肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病、ストレスなどにより動脈の柔軟性が失われて硬くなったりつまったりします。検査時間は5分から10分程度で済み、患者さんに痛みなどの苦痛はありません。 |
もの忘れ検査 | 認知症がないか、神経心理検査(長谷川式認知症スケールやMMSE)を行います。また、当院ではMRIを使用しVSRADによる脳の萎縮の程度も同時に測定します。アルツハイマー型認知症などの認知症の診断に役立てることができます。 |
1
ご予約
ご予約制となります(お電話またはご来院)。コースにより所要時間が変わります。
2
来院・問診票記入
ご来院されましたら、「脳ドック問診票・MRI検査同意書」をご記入して頂きます。
3
検査
検査着に着替えて頂きます。メガネやカラーコンタクトをお使いの方はケースをお持ちください。また、金具のついた衣類やアクセサリーなどは全て外してください。
4
検査報告
検査後、診察室で医師(脳神経外科専門医)から当日、検査説明をいたします。
5
お会計
お会計となります。お支払い方法は、現金・クレジットカード
(VISA、Master)が対応可能となります。
♯当院では脳神経外科専門医が即日診断し、結果説明いたします。
また、急な症状はないが、なんとなく心配なので受診したいという場合は脳ドックの方が外来の混雑状況によりますが、普通の外来診察より早い場合もあります。ただし、急な症状のある方は通常の診察をお勧めします。
脳ドックで実施される頭部や頸部のMRI,MRA検査は、強い磁力を応用して撮像を行う検査です。
心臓ペースメーカー、除細動器、神経刺激装置、金属製の心臓人工弁、人工内耳などを体内に埋め込まれている方、妊娠中または妊娠している可能性がある方、閉所恐怖症のある方はMRI検査を受けることができません。
治療を受けた時期、どのような手術で手術に使用した材質(チタン、ステンレス等)などを治療を受けた医療機関に事前にお問合せした上、当院までご連絡ください。
MRI検査は強力な磁石を利用した検査ですので、磁力の影響を受けやすい金属類などの持ち込みはもちろん、カラーコンタクトレンズやメイク用品なども中の成分に金属が含まれていることがあり、これらをつけたまま検査を受けると目や体にやけどなどが起こる危険があります。取り外しが可能なものは、MRI,MRA検査の前に必ず外してください。
かつら、ウイッグ、ヘアエクステンション、スーパーミリオンヘアー等の増毛パウダーや増毛スプレー、スプレー式白髪染め、ヘアピン
眼鏡、カラーコンタクトレンズ、アイシャドウ、つけまつげ、マスカラ、義眼、義肢
腕時計、指輪、マニキュア、ネイルアート、つけ爪
着脱式入れ歯、歯列矯正金具、ネックレス、ピアス、エレキバン、使い捨てカイロ、心臓の貼り薬や湿布、補聴器、コルセット
UVケア用品、化粧品、ファンデーションなど(成分に金属が含まれる場合があるため)
ファスナー、ホックなどの金属がついているもの、ブラジャー、保温用下着、矯正下着
携帯電話、スマートフォン、タブレット、財布、コイン、メダル、磁気カード(IDカード、キャッシュカード、クレジットカードなど)、ライター、文房具(ペン、鉛筆、クリップなど)、杖、松葉杖(全木製は問題なし)
上記リストのように、UVケア用品やアイシャドウにも金属が含まれていることがあるため、検査当日はノーメイクが基本です。ノーメイクでの外出が難しい方は、シートタイプのクレンジング剤などを持参し医療施設で落とすようにしてください。まつ毛やエクステンションなどその場で除去できないものは事前に取り外しておくことが大事です。カラーでないコンタクトレンズは磁性体成分をほとんど含んでいませんが、検査中の乾燥やずれなどを防ぐため、外しておく方が無難かもしれません。アクセサリーや貴金属類は全て外してください。
(1) Aコース | 問診、頭部MRI,MRA、当日結果説明 | 税込22,000円 |
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(2) Bコース | Aコース+頸部MRA | 税込27,500円 |
(3) Cコース | Bコース+頸動脈エコー+CAVI/ABI(動脈硬化) | 税込38,500円 |
(4) Dコース | Cコース+採血、尿検査+心電図 | 税込44,000円 |
(1) Aコース+MMSE(認知機能検査)+VSRAD (MRIによる海馬の萎縮度の測定) | 税込33,000円 |
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(2) Bコース+MMSE+VSRAD | 税込38,500円 |
(3) Cコース+MMSE+VSRAD | 税込49,500円 |
(4) Dコース+MMSE+VSRAD | 税込55,000円 |
採血一般 税込6000円
頸部痛、腰痛、上肢や下肢のしびれや痛みでお悩みの方はMRIを使用し頚椎や腰椎に異常がないかを調べることができます。
ペースメーカーの埋め込み等や閉所恐怖症がありMRI検査が施行できない方にはMRI程細かな異常は発見できませんが、頭部CTの検査をおすすめします。
CTを使用し胸部CTでは肺がん、肺結核、気胸、胸部大動脈瘤、肺炎など、腹部CTでは脂肪肝、肝臓がん、胆石、腎臓がん、大腸憩室などを発見することができます。
心房や心室の大きさ、心臓の壁の厚さや動きなどから、心肥大、心筋梗塞や前段階、心房内血栓等がわかります。弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定します。
アルツハイマー型認知症はアミロイドβ(ベータ)ペプチドという老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症します。MCIスクリーニング検査は、アルツハイマー型認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)の兆候やリスクを評価する血液検査です。この検査では、アミロイドβペプチドを排除、またはその毒性を弱める機能を持つ血液中のタンパク質の量と、血管の損傷・炎症に関連するタンパク質を調べることで、MCI発症のリスクを調べます。採血をして結果は2〜3週間後にわかります。検査結果はリスクに応じてA〜Dの4段階評価になります。
♯保険診療において認知症と診断されている方は、当検査を自費で受けますと混合診療となりますので検査は実施できません。
動脈硬化の進行リスクを測定し、将来の脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを評価する検査です。血液中の悪玉コレステロール(LDL)が酸化し、より悪玉化した超悪玉コレステロール(LAB)とそれを血管の壁に取り込んで動脈硬化を進ませる血管内皮細胞に存在するタンパク質(LOX-1)の量を測定します。LOX-indexは動脈硬化の初期段階を反映しています。 採血をして結果は2〜3週間後にわかります。
♯ただし、現状、脳梗塞、心筋梗塞にかかっているかを調べる検査ではありません。
アルツハイマー型認知症はアミロイドβ(ベータ)ペプチドという老廃物が脳内に蓄積し、神経細胞がダメージを受けることで発症します。このアミロイドベータペプチドの蓄積に大きく関わっているとされているのが、Apo E遺伝子のタイプで、このApo Eはアルツハイマー型認知症を引き起こす要因を持っていると言われています。この検査ではApo E遺伝子の型を血液で調べて、認知症の発症リスクを調べます。 採血をして結果は2〜3週間後にわかります。
♯脳ドックおよびオプション検査は保険適応外となりますので、全額自己負担となります。